- 特許取得に興味がある方
- 独学で特許を取得してみたい方
- 弁理士に頼らず、低コストで特許取得したい方
こんにちは、ゆうや(@yuyaman1986)です。
この記事では、特許を取得してどのように儲けるかであったり、
どのように製品をマーケティングするかについては書かれていません。
ですが、この記事を読んでいただければ、独学で特許取得するためのプロセスについて学ぶことができます。
特許取得は特別なものではありません。
ごく普通のサラリーマンであるわたしでも独学で取得することができました。
自分のアイデアを特許化したいと考えている方は最後まで読む価値があると思います!
注)記事の情報はわたしが特許取得をした2018年の情報に基づいています。
そもそもなぜ特許を取ろうと思ったのか
わたしは昔から暗記科目が得意で、そのおかげで英語の単語を覚えるのは今でもかなり得意です。
大学のときから英単語を覚えるための体系的な方法を身に着けており、
「このアイデア特許になるのでは、、、」と密かに考えるようになったのです。
また、社会人になって日々の激務をこなす中、不純にもこう考えるようにもなりました。
- 会社嫌だ
- 楽してお金もうけできないかな
- 不労所得とかいいな
- 特許取ったらもうかるのかな
高尚な目的としては、「わたしの暗記方法が体系化されて、誰でも簡単に利用できるようになれば、みんな簡単に暗記できて、学力の底上げができるのでは!」とかも思っていました。

そのとき、わたしが考えていたアイデアはズバリ
「単語暗記学習ノート」です!
このノートさえ使えば、わたしの行っている暗記方法が簡単にできるというものでした。
とりあえず、特許事務所に相談だ!
「このアイデア特許取れる!」という空想は膨らんでいきましたが、
実際に何から手を付けてよいやら。そこで、まずは特許事務所に相談に行くことにしました。
たまたま、当時勤めていた会社で特許事務所とやり取りをする案件があり、
「会社に秘密で」という条件のもと、プライベートでのアポを打診してみたところ、了承頂けることに。
そして、2014年2月15日にとある特許事務所にプライベート訪問することになりました。

なお、余談ですが、この記事を書くにあたって色々調べていたら当時の訪問議事録がevernoteに記録されていました(笑)
結構まめですね

自分で言うなよな、、、

ごめん、ごめん
そこでは、わたしのアイデアについて特許調査をしてもらうことに。
具体的には、同じようなアイデアが既に存在していないかなどを調べてもらいました。尚、その後2014年3月15日にも再度訪問している履歴がありました。
ただ、そのときの議事録は見つからなかったため、具体的に何を話したか覚えていませんが、結論的には、
- いくつか似たようなアイデアはあったが、全く同じものはなかった
- 弁理士に特許出願、それ以降の手続きを頼むと手数料がすごくかかることが判明!
当時の議事録には、弁理士手数料で約40万円とあります。
そのうえで、特許出願や特許出願審査請求などにかかる印紙代(約20万円)もありますので、結構費用がかかります、、、

というわけで、製品化する具体的なアイデアなどもなかったため、とりあえず、独学でやってみよう!という考えになりました。
そもそも特許権とは?
ところで、そもそも特許権とは何かご存じでしょうか。
特許権とは知的財産権のひとつであり、新規性や進歩性が認められるアイデアに対して、権利化されるものです。
権利化する組織は特許庁です。
また、出願から原則20年権利が存続することになります。
自分の特許取得した製品などが売れて、ロイヤルティでお金がチャリンチャリン入ったら、こんなにうれしいことないですよね!

さて、ここからは具体的に実際にどのような手続きを経て特許を取得したかです!
特許出願
はじめは「このアイデア絶対特許取れる!」「特許取る!」などと意気込んでいましたが、いつの間にかときは流れ、2016年10月22日にようやく特許出願をしました。

なんと結局、特許事務所を訪問して2年半近く経ってしまいました、、、

ずいぶん、放置してたんだな。
その間、仕事が忙しかったりと、特許出願に対する熱を失っていましたが、
再度やる気がでてきたため、思い立ったら吉日!特許出願を勢いでやりました!
その際に参考にした本がこちら。
特許手続きについて、書類の書き方や注意点が書かれており、独学でこの本を見ながら、資料作成などをしていきました。
(注)2009年の本ですので、情報が古くなっているものも含まれています。
特許出願には下記5点の書類が必要でした。
1.願書
「特許出願します。」という書類。出願者の氏名や住所、添付書類の目録などを記載します。また、こちらに15,000円の特許印紙を貼ります。
2.図面
特許出願するアイデアの図面です。
「図面ってCADとかのスキル必要なんじゃないの?」なんて声が聞こえてきそうですが、心配ご無用です。
わたしはPowerPointのみで図面を作成いたしました。
PowerPointタブの「挿入」→「図形」から図面を作成しました。
3.特許請求の範囲
特許出願するアイデアの「どこの部分」、「どの構造」に対して特許出願するかという、その名の通り「特許請求の範囲」を記載した書類です。
【請求項1】
【請求項2】
というように記載していきます。
4.明細書
明細書が一番大変です。
「技術的な背景」、「発明が解決する課題」「課題を解決するための手段」などなど、発明についての詳細を説明する必要があります。
特許関係の書類全般に言えることですが、書類の書き方には一定のルールが存在し、これが結構くせ者です。
本に書き方は記載されているのですが、最新情報は特許庁のホームページなどを参考にしてください。
参考までに下記がわたしが特許出願した際の「明細書」からの抜粋です。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の単語暗記学習ノートは次のような欠点があった。
(イ)、テストをして覚えることができなかった単語を同様の紙に再度書き写すことしかできず、単純な暗記作業の繰り返しになってしまっていた。
(ロ)、電車移動中等の合間の時間に気軽に暗記作業をすることが困難であった。
(ハ)、単語テストの際に、単語を隠すための隠しシート体を使用する必要があり面倒であった。
本発明は、以上の問題点を解決するために発明されたものである。
5.要約書
特許出願するアイデアについての要約です。こちらの書類は他の書類の内容をまとめるだけですので、それほど難しくはありません。
話しが細かくなりましたが、これらの書類を作成し、
特許出願書類の「願書」に貼る特許印紙15,000円を郵便局で購入し簡易書留で郵送しました。
※特許印紙は特殊なものなので、コンビニには売ってませんでした。

あれ?15,000円しかかからないの?

15,000円はあくまで特許出願だけ。
本当にお金がかかるのは、特許出願後の特許出願審査請求なんだ。
※費用については当時の費用となるため、最新情報は特許庁のホームページなどでお調べください。
実際、私が参考にしたこちらの本も情報が古くなっており、
特許出願後の特許出願審査請求の費用が変わっていました
(実際の方が本の情報より安くなっており、後で差額が還付されました。)
なお、余談ですが、一応このような試作品も作成しました。



そして出願書類を郵送後に通知が送られてきました。


その後、識別番号が付与されました。

特許出願審査請求
特許出願しただけでは、特許の審査ははじまりません。
特許出願後に特許出願審査請求をすることで、はじめてその特許が特許取得できるかの審査がはじまります。これが時間がかかるんですよね、、、そして高い!

当時の費用で20万弱かかりました。
これも郵便局で特許印紙を購入する必要があり、現金20万程を恐る恐る郵便局まで持って、特許印紙を購入しました。(クレジットカード決済などはできないので。)
特許出願とはあくまで、先願権を取得するための手続きにすぎないので要注意です。
仮にあとから同じアイデアが出願された場合、そちらより自分のアイデアが優先されるということです。ただ、最終的に特許として認められないと意味はないですが。
わたしが、特許出願審査請求をしたのが、2017年9月2日でした。

ここでもまた、受領書を受け取りました。

拒絶理由通知書の受領
個人的には、これで特許取得できた!と甘く考えていましたが、
やはりそんなに甘くありませんでした。
2018年9月4日に拒絶理由通知書を受け取りました。
なんと、特許出願審査請求から1年近く経過しています。

正直このころには、特許のことを若干忘れかけており、
「お、何かきた。あ、例の特許のやつだ。」という感じでしたが、拒絶はショックでした。
拒絶理由通知書の受領によって、申請した特許案は新規性や進歩性に乏しく、特許権を認めないと拒否されたわけです。


ただ、ここであきらめてはいけません!
なぜならば、すんなり1発で特許取得できるケースは少ないらしいのです。
その後、所定の手続きにて、反論して認められれば特許を取得できる可能性は十分にあるのです!
意見書・手続補正書の提出
というわけで、2018年9月30日に意見書と手続補正書を提出しました。
拒絶理由通知書を受領した際に、書面にかなり丁寧に今後のアドバイスが書かれていたため、そちらを参考に提出しました。

そして受領書

特許査定
2018年11月20日ついにこのときが。
特許査定を受領。特許として認めますよという書類です!


その後、特許料を納付し受領書を入手!


そして、、、
最終的にこのような、証書をもらうことができました!

まとめ
今回、独学でも特許取得は十分可能ということを身をもって証明することができました。
現状こちらのアイデアを利用して収益化など具体的なアイデアは特にありませんが、いずれは何か考えるかもしれません。
「特許なんて申請が難しそう」とか、「わたしには無理」と思われている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません!
普通のサラリーマンのわたしでも本1冊で独学でできましたので、十分可能です。
ただ、ある程度の費用はかかりますが、、、
独学の場合でも20万円近くはかかりますので、それなりの「思い」が必要です。
わたしの場合は、最終的には自己満足の世界で落ち着いていますが(笑)

特許取得したいと考えている方は独学でも十分に可能ですので、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!
おまけ
この記事を読んでいただき、本格的に独学で特許を取得されたい場合は、
コチラのご利用も検討ください。
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