こんにちは、ゆうや(@yuyaman1986)です。
以前書かせていただいたこちらの記事のとおり、
わたしは商社で働くことをオススメしない立場です。
すると、あなたはこんな疑問を持つかもしれません。
「では、商社で働いてよかったことはないのか?」
その疑問にお答えするのが、今回の記事です。
結論からお答えすると、もちろんよかったこともあります。
わたしは、2011年に新卒で営業として某専門商社に入社し、2016年に退職をしています。
この約5年間の経験を踏まえ、商社の営業として働いてよかったことを紹介いたします。
商社で働くことに興味のある大学生、商社への転職を検討中の社会人の方向けの記事となっています。
冒頭のこちらの記事とあわせて読んでいただけると、商社のメリットとデメリットがなんとなく見えてくるはずです。
出張先でおいしいものを食べる機会が多い
商社の営業は出張する機会が多いです。
なぜなら、商社が客先と仕入先の間に立って、取引を行うという業種だからです。
ある案件を客先から受注したとします。
その場合、打合せのために客先に出張することは、なんとなくイメージできると思います。
「では、客先への納品物はどこで作るのでしょうか?」
商社は基本的にメーカー機能を持っていないことが多く、
受注したものを製造しているのは、仕入先のメーカーです。
そのため、案件を受注した場合や営業活動をとおして、
客先と仕入先の両方に訪問する必要があり、出張頻度が高くなります。
前置きが長くなってしまいましたが、このような理由で商社の営業は出張する頻度が多く、その際に現地のおいしいものを食べることができます。
わたしは、北海道に行く機会が多かったのですが、
函館へ出張したときに食べた海鮮丼が今でも記憶に残っています。

うらやましー。

仕事が忙しい分、こういったところで楽しまないとね。
配属されている部署によりますが、交際費を割と自由に使わせてもらえる部署であれば、取引先と会食しているときは、交際費で食事ができます。
女性との出会いが多い

世間一般に認識されている、「商社マン=チャラい」
これは、ある程度間違っていないというのがわたしの認識です。
同期や先輩、後輩のなかに必ずだれかしら合コン好きがいて、
定期的に合コンに誘われます。
多いときは月に2回合コンに行っていたと思います。
そのため、女性との出会いは本当に多かったです。

当たり前ですが頻繁に合コンに参加すると金銭面で大変ですので、
注意が必要です。
外出や出張中に少しさぼれる

これは、商社マンというより、営業全般に言えることですね。
ここで、敢えて「少し」と書かせていただいたのには理由があります。
外出や出張中はさぼろうと思えば、さぼれますが正直仕事が忙しすぎてそんな気にはなれないからです。
ただ、個人的には”少し”はさぼるべきだと思っています。
さぼるというより、リラックスするという表現が正しいでしょうか。
営業は社外との接点となる職種ですので、何かトラブルなどがあると矢面に立たされ、それがストレスとなります。
そんな職種ですので、適度な息抜きは必要だと考えています。

わたしは、営業帰りにたまにカフェに寄っていました。
営業はうまく気を休めないとやってられない職種です。
英語を使う機会が多い

部署にもよりますが、総じて商社は英語を使う機会が多いといえます。
なぜなら、商社は国内取引だけでなく、海外取引も頻繁に行っており、
海外とのやり取りが必要になるケースが多々あるためです。
「では、具体的にどのような場合で英語を使うのでしょうか?」
- 海外の客先もしくは仕入先とのメールや電話
- 海外から客先もしくは仕入先担当が来日した際のアテンド
- 海外出張時の現地コミュニケーション

それぞれ、わたしの実例で説明します。
海外の客先もしくは仕入先とのメールや電話
当時スウェーデンの某機械メーカーと輸入取引をしていました。
その際に、見積依頼や納品済の機械トラブルについてメールや電話でやり取りしていました。
海外から客先もしくは仕入先担当が来日した際のアテンド
仕入先のスウェーデンメーカーが日本の展示会に新製品を出展する際に、
わたしがアテンドをして一緒にブースで商品説明をしました。
スウェーデンメーカーの担当者は日本語が話せなかったため、
展示会の来場者とのコミュニケーションはわたしが通訳をしていました。

展示会の帰りに、居酒屋で一緒に刺身を食べたのはいい思い出です。
キャバクラにも連れて行ったなー。

結構いい思いしてんな。
海外出張時のコミュニケーション
ここでも、またスウェーデンメーカーとの話です。
某客先向けにこのスウェーデンメーカーの機械を受注した際に、
出荷前検査でスウェーデンに出張しました。
このときの、現地コミュニケーションで英語を使用しました。

商社に興味がある方は、「英語を活かしたい」と思っている方が多いのではないでしょうか。
このように、商社では英語を使用する機会がたくさんあります。
割と海外出張が多い

「海外出張がしたい」
「海外に駐在したい」
このように海外志向が強い方が多いのも商社の特徴です。
実際、海外出張するチャンスは多いです。
わたし自身は海外駐在はなかったですが、同期の半数近くは海外駐在経験をしていますので、海外駐在のチャンスも十分にあります。
参考までに、約5年間の間にわたしはこれらの国に出張しました。
- アメリカ(3回)
- スウェーデン(1回)
- 韓国(2回)
- ドイツ(1回)

出張の合間にスウェーデンのマルメというところに、
メーカーの担当者が連れて行ってくれたんですが、
すごくキレイなところでした!

オレも海外に遊びに行きたい!

遊びじゃなくて、仕事なんだけどね。
社会人として大切なスキルが身につく

コミュニケーションのスキル
お伝えしましたとおり、商社の営業は客先と仕入先という2方向でのやり取りが発生します。
そのため、多くの方と接する機会がありますので、コミュニケーション能力が向上します。
正直わたしは器用な方ではなかったですが、
客先担当の方から「ゆうやさんは何かあっても許してしまうんだよなー」といわれたことがあります。
ミスはよくないですが、このようにコミュニケーションを通じて信頼関係を構築できるというはひとつの魅力だと思います。
利益計算のスキル
なんだかんだ言っても、ビジネスですので利益を出さないと評価されません。
あらゆるビジネスに共通する原理原則ですが、利益を最大化するためには、
仕入れ費用を安くして、受注額を高くする必要があります。
「仕入がいくらで、いくらで売ればどのくらい利益がでて」などと計算して、
金額の交渉を客先や仕入先と行うのも営業の仕事です。
海外から商材を輸入して日本国内で販売を行うと仮定した場合に、
ざっくり以下のようなことを計算に入れなければなりません。
- 商材そのものの費用
- 海外から出荷する際の出荷前検査などにかかる人件費
- 商材の輸送、梱包、海上保険などのコスト
- 為替取引を行う際の為替差損のリスク
取引によっては、仕入れ先が複数社である場合も珍しくありません。
ある部分については海外メーカーのA社から仕入れ、
ある部分は国内メーカーのB社から仕入れる。
そして、それらを国内の工場で組付けるなどといった具合です。
当然、仕入先が増えれば増えるほど、利益計算は複雑になりますし、
納品までの工程で、トラブルなどで追加費用が発生する場合もあります。
それらを考慮したうえで、利益計算をすることはむずかしいですが、
最終的に利益がでたときは、やりがいを感じるポイントです。

逆に、予想外の費用が発生し、最終的に赤字になり、
トラブル対応というおまけもついたときは精神的なダメージ大です。
プレゼンのスキル
営業は客先に商材のプレゼンをする機会が多々あります。
わたしはあまりできていなかったですが、プレゼンが上手なひとは話のストーリーが分かりやすいです。
上司から「プレゼンはストーリー」といわれたことがあります。
確かにそのとおりだと思います。
営業活動をとおして、プレゼンでの話し方やストーリー作成のスキルが身につきます。
納期管理のスキル
納期管理は営業の重要な仕事のひとつです。
通常、案件を受注したときには、契約書や注文書に納期が明記されていますので、
納期遅延をした場合、契約違反となってしまいます。
特に製造ラインで使用されるような設備ですと、納期遅延をすると客先の製造工程に大きな影響がでてしまいますので、納期管理はしっかりしなければなりません。
- ガントチャートなどで進捗を可視化してExcelなどで管理する。
- 仕入先メーカーからの納期情報を信じ込まずに、余裕を持った納期で客先とやり取りをする。
- 適宜、仕入れ先に製造状況の確認を入れ、納期管理に努める。
- あらかじめ契約書や注文書で納期遅延した際の、ペナルティ項目を確認しておく。

このように、納期管理をしていくなかで、
納期管理のスキルが身についていきます。
交渉のスキル
商社マンはあらゆるところで、交渉が必要な状況に立たされます。
基本的には、おカネに関することです。
実際にわたしが経験したことを紹介します。
- 仕入先への値切り交渉
- 受注後に機械仕様が客先の仕様に合っていないことがわかったときの、
追加費用をだれが持つかという客先、仕入先との交渉 - 機械納品後に機械トラブルが発生したときの、仕入先との交渉
トラブルが発生したときの交渉ごとで大切なのは、なにが原因でトラブルになり、
だれに責任があるのかという責任範囲の明確化です。

商社の営業という仕事をとおして、交渉のスキルを高めることができました。
まとめ

「いかがでしたでしょうか?」
最後に商社の営業経験でよかったことを、まとめさせていただきます。
- 出張先でおいしいものを食べる機会が多い
- 女性との出会いが多い
- 外出や出張中に少しさぼれる
- 英語を使う機会が多い
- 割と海外出張が多い
- 社会人として大切なスキルが身につく
こうやってみると、案外悪くないかもしれないとも思えますが、
大変なことの方が多いため、それらを天秤にかけてどうかというところでしょうか。
ただ、「苦労は買ってでもしろ」という言葉もあるとおり、
若いうちに、苦渋を舐める経験がしたい方は商社マンをぜひオススメさせていただきます!